久保憲司のロック・エンサイクロペディア

『ロッキー・ホラー・ピクチャー・ショー』 からもう50年経っているんですけど、さすがにもう50年間も希望がないのは辛いすよね

 

 

この前、瞑想とビートルズとドラッグに関するイベントをやったのですが、そこで滑った話をひとつ。「お前なんの話してんねん」という顔をされていました。

僕が言いたかったのは、昔は、宇宙人がやってきて地球を救うとか、ある日誰かが神様になって人類を救うとか、そういうのをみんな考えていたのだけど、今の人たちはそういうことを考えないと言う話です。

瞑想とかやっている人たちって、まだそういうことを考える人たちなのかなと思っていたら、違うみたいです。

60年代後半から70年代前半のロックってこれですよね。

ロックが救世主になるという幻想をみんな持っていました。

だから、ボブ・ディランの所に「なんか助けてください」って救いを求めていく人たちが殺到していたのです。ビートルズがマハリシ・ヨギに会いに行ったのもこれですよね。ディランは「勘弁してくれよ」と、オートバイ事故を偽装して、ウッドストックで引退生活を送っていたりしたのです。

ハワード・スターンの伝記「ダウン・ザ・ハイウェイ ボブ・ディランの生涯」で、当時のウッドストックの病院記録を全部調べたけど、ディランに関する入院記録がいっさい見つからなかったと書かれていました。ディランは嘘をつくって言うの面白いですよね。今だと絶対無理です。すぐバレます。

 

 

 

 

リチャード・オブライエンの傑作ロック・ミュージカル『ロッキー・ホラー・ピクチャー・ショー』は何者かに成りたい人たちを笑う作品です。

絶対見た方がいい映画です。

前半は本当に元気になります。

 

 

 

ネタバレになるかもしれません。

まだ見てない人は、何行か飛ばしてください!

 

 

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