久保憲司のロック・エンサイクロペディア

ザ・フーの「ハッピー・ジャック」を聴くと、僕はいつもゴッホのことを思い出します

 

 

どんどん世の中って変わっていきます。

いい世の中になってるのだと思います。

昔は食事に行ったら、隣の席の奴が、こちらがまだ食事をしているのに平気でタバコを吸っていました。

こちらが咳払いをしても、逆に「お前なんやねん」という顔をされました。

ずうっと新鮮な空気を吸えているって、最高ですよね。

昔はタバコを吸っている奴を見て、「そんなの吸わんとマリファナ吸えや、そしたら、そんなにバカバカ吸わんようになるやろ」と思ってました。

世の中嫌な方にも変わっています。

ローリング・ストーンズは「ブラウン・シュガー」はやらないと決めているそうです。

 

 

 

 

奴隷主の親父が、昼は奴隷に横柄な態度とっているのに、夜はその奴隷に夢中という歌です。

映画SM倒錯ソングですね。元ナチス親衛隊員とユダヤ人女性の倒錯した愛を描いた映画「愛の嵐」の世界です。

 

 

 

 

本当にそういうことがよくあったそうです。奴隷主の旦那が毎夜奴隷の所に行くのを、奥さんはベッドの中で耐え、次の日、その奴隷に強く当たるとかそういうことが普通だったそうです。

奴隷主と奴隷が駆け落ちするなんてこともあったそうです。でも、これをして、捕まると両方ともリンチで殺されるそうです。

ヨーロッパで奴隷制度が禁止になり(当たり前ですね)、奴隷の供給が出来なくなると、奴隷制がアメリカというクローズドな世界の中で行われるようになると、奴隷が奴隷の子供を作るのはいいこととされるようになります。そして、出来た子供を奴隷として、売ったり、買ったり出来るようになる完全にSFというか、狂気の世界に突入していきます。

一応アメリカでは人種差別的な政策から、異なる人種が混ざり合うことは認められていなかったのですが、女性は子供の出産と引き換えに自由を約束されることが多かったそうです。

たぶん、その子は奴隷主との子なのでしょうね。

スパイク・リーの映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』の名言「アメリカの黒人で、白人の血が入っていない奴なんか一人もいない」です。

 

 

 

 

気が狂ってます。

完全にSFドラマの『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』の世界です。子供が生まれにくくなった世界で、福音派がアメリカの半分を占拠し、そこでは女性を侍女(ハンドメイズ)化させて、その主人がその女性とセックスをして、子供を作る権利があるという話なのですが、アメリカが黒人に対してやってきたことそのままなのです。

 

 

 

 

そして、世界が女性にやってきたことがこれですよね。

奴隷を解放するために、アメリカは国が半分に分かれて、戦争しなければいけなかったって、完全にSFの世界ですよね。事実ですけど。

実はここまで酷かったのかという背景があるので「ブラウン・シュガー」は出来ないよねということなのでしょう。

ピンク・フロイドの「アーノルド・レイン」も微妙です。女装好きの男が、洗濯されている女性の服を盗んで着るという歌です。今の世の中だと完全にアウトですが、当時はちゃんとヒット・チャートに入った名曲です。

 

 

 

 

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