エルヴィス・コステロ「アリソン」 : 何から何まで売れる要素の反対。歌もどこか捻くれたものばかり。それで世界的なスターになったのです
このまま行くと日本はまた失われた30年を突き進みそうですね。
今の日本を見ていると45年前のイギリスを思い出します。
そうです。エルヴィス・コステロの「アリソン」が歌われていた頃です。
歌われたアリソンというのは実在の女性で、スーパーマーケットのレジ打ちをしているとっても美しい女性です。
コステロはなぜこんな綺麗な女性がスーパーマーケットのレジ打ちをしているのだろうと、そこからこの歌の妄想が始まります。
覚えてないのですが、その頃はレジ打ちの女性は名札をつけさせられていたような気がします。居酒屋なんかで売り上げをあげるために名札をつける感じです。
きっと彼女は学校で一番綺麗な女性だったのでしょう。そして、学校で一番イケているスポーツ万能の男と結婚したのでしょう。学生時代は似合いのカップルと友達からもてはやされていたのです。そんな光景を音楽好き、しかもザ・バンドとかが好きな今でいうオタクなコステロは「こんな奴らダサいんだ」と思いながらも、どこか憧れで見ていたのでしょう。そんな時から10年も過ぎて、とあるスーパーに入ったら、その女性が、疲れた顔をして、スーパーでレジ打ちの仕事をしていたのです。きっと、学校で一番イケていた男は、奥さんと子供二人を稼げるだけの収入を得ることが出来なかった。だからアリソンは仕方なく、スーパーで働いているのです。
見ず知らずの美しいアリソンはいつの間にか、コステロの同級生の美しい女性に代わります。彼女と同窓会で久々に会うと彼女は美しいけど、ちょっと疲れた女性になっています。そりゃそうです。レジで働いているのですから、学校の頃は高値の花だった彼女が今はなんか落とせそうな気がします。
そして、妄想では落とせます。そして、コステロは彼女をこの地獄のような日常から助けてやりたいと思うのです。
それがあのどういう意味かよく分からないサビの“My aim is true”です。たぶん、“僕の愛は真実だよ”と歌っているのでしょう。
そして、コステロは、奥さんに頼まれた買い物をビニール・バックに詰めながら、スーパーのレジを打つ美しい女性をあとにして、自分もいまだに売れない音楽を一生懸命作りながらも、それじゃ食えないので、しがないコンピューター・プログラマーをしながら、奥さんと子供を養うのが背いっぱいの自分に戻っていくのです。
短編映画のような洒落た歌です。
大人の恋の歌にみんなびっくりしたのです。アメリカ中でコステロ・ブームが起きたのがよく分かります。
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