久保憲司のロック・エンサイクロペディア

The Clash 『ルーディ・キャント・フェイル』 朝早くからビールを飲んで19番のバスに乘った少年に、ジョーは「負けんなよ」と歌っているのです

 

 

 

自分が死ぬ時にロンドンにいるのか、どうなのか分からないけど、死ぬ前にもう一度見たい景色は、ロンドンの2階建バスの2階の最前列から見下ろす人々の姿、家々、公園、青い空です。

何番のバスに乗るのが一番いいのか、ずっと悩んでいたのですが、その答えを教えてくれていた歌がありました。ザ・クラッシュの「ルーディ・キャント・フェイル」です。ザ・クラッシュがご機嫌なレゲエ、ロック・ステディを演奏してくれています。

 

 

 

「ルーディ・キャント・フェイル」が入っている『ロンドン・コーリング』の前のアルバム『動乱(獣を野に放て』の一曲目「セイフ・ヨーロピアン・ホーム」で歌われたようにクラッシュはジャマイカに行って、悲惨な目に遭っています。

 

 

 

どういうことかというと、彼らがリー・ペリーと録音していたら、ザ・ローリング・ストーンズの一行がジャマイカに到着して、みんなにチップを配りまくっていたらしく、「お前らは、ストーンズみたいに金をくれないのか、どういうことなんだ」と暴動寸前になり、リー・ペリーが「お前らヤバい、逃げる」と命からがら逃げ出したそうです。

ガンジャ(マリファナ)買ったら、偽物つかまされたとも歌っていて笑ってしまいます。

今YouTube見ていたら日本人の人らがどんどんジャマイカに入り込んでいっているのですけど、白人の人たちはどうもジャマイカと上手くやっていけないみたいですね。

お前らにこんな場所に連れて来られたという恨みはちょっとやそっとじゃ晴れないのでしょう。白人が差別される国ってオモロいなといつも思っていて、行ってみたいなと思いながら、今日まで来てしまいました。

そうそう、セックス・ピストルズを辞めたジョン・ライドンがジャマイカのアーティストをスカウトする仕事をヴァージンのリチャード・ブランソンから貰ってジャマイカに行くのですが、それを記録したドン・レッツの映像を観ていても全然楽しそうじゃないんですよね。

ジョン・ライドンなんかジャマイカの音楽大好きなのに、きっと彼らのスタジオ、ダンス・パーティーなんかに行って彼らとガンジャでもキメながら楽しく談笑したりしたかったんでしょうけど、商談なんかも彼の泊まっているホテルにアーティストに来てもらって話をまとめるみたいな感じで、なんか可哀想だったなと思うのです。

 

 

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