イラン革命で大きな役割を果たした石油精製所の労働者たちが動き出した—女も公に歌を歌える社会になりますように-(松沢呉一)
石油精製所の労働者たちが連帯行動に入った意味
今週から、イランでは次のステージに入っているので、目が離せないのですが、イランの情報を拾うのはけっこう大変。
前に書いたように、イランの映像はどれも自動翻訳の設定になっていないので、まるっきりわからん。なんでじゃろと思ったのですが、Googleでは、今なおペルシャ語の音声の聞き取りができないためでした。そんなマイナーな言語でもないだろうに、意外です。
そのため、国外のテレビ局が公開してい動画から探すか、ペルシャ語で文字情報を探して、そこから勘で映像を探すしかないのです。
つい数日前にも国内ムスリムに対する迫害が問題になっていたインドのメディアは引き続きこの件を積極的に報道し続けていて、以下はインド・メディアのGRAVITAS。
前半はマッサ・アミニと並んで、ニカ・シャカラミがプロテストや報道においての表看板になってきたという話。ホントにそうなんですよ。場合によってはマッサ・アミニよりもニカ・シャカラミです。美形だってことももちろんあるのですが、死の原因が未だはっきりせず、家族は「彼女は殺された」と主張し、警察には口止めをされたことを暴露していて、この過程が怒りに火をつけています。
この動画では、彼女がヒジャブに火をつけている動画も出ています。初めて観ました。しかし、こういう動画に出ている人物の同定は難しくて、「イランのプロテストの特性をもっともよく体現している女学生たちの大反乱—撲殺されたサリーナ・イスマイルザデと銃殺されたハディス・ナジャフィ」に出したポニーテールにの画像は、ハディス・ナジャフィではなかったようです。追記しておきましたが、ポニーテールにしている本人が「あれは私です」とBBCに連絡してきたとのことです。
後半は一昨日から始まった動きで、石油精製所の労働者たちが、このプロテストに連隊した行動を始めました。この映像に出ているのはイラン最大の精製所らしいのですが、ここだけでなく、複数の精製所や工場でプロテストが始まっていることから、なんらかの合意のもとで一気に始めたのだろうと推測できます。
イランでは、このことが持つ意味は重大。というのも、1978年のイラン革命の際に、真っ先に帝政に対する抵抗を始めたのがこの精製所だったそうです。まだどうなるかわからないですが、イラン革命の時のように、さらにプロテストは拡大し、激化する契機になるかもしれない。革命を目撃できるのか? ロシアの革命も見たいです。
荒れるサナンダジ
イラン北西部のクルディスターン州はその名称からもわかるようにクルド人住民が多く、その州都サナンダジでは激しいプロテストが続いています。治安部隊はここの制圧に力を入れていて、バイクに乗った治安部隊がガンガン実弾を撃ってます。
以下はVOAが公開している動画。
あちこちで銃声が鳴って、銃弾が飛ぶところまでが見えます。
VOAは中継もよくやっていて、プロテスター側も投石し、ハメネイ師の看板に火を放っています。
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