クリミア、そしてロシア国内で続く爆発—バルチザンの活動が激化しているっぽい-(松沢呉一)
ヤロスラヴリの巨大軍需工場が全焼し、ロストフ・ナ・ドヌのFSBが炎上
ロシアがベラルーシに核兵器を配備する計画に対して、西側では一斉に反発していますが、2月からの猛攻は失敗に終わって、ロシアは打つ手がなくなってきていることの表れでしょう。
英米はロシアが核兵器を使用する可能性については否定的ですが、ポーランの報道では、危機感が強い。ポーランドは多数のウクライナ人を受け入れているわけですが、「明日は我が身」みたいなところもあって、ロシアが次に狙っているのはジョージアか、モルドバか、バルト三国か、ポーランドかってな感じです。
戦車不足が深刻なため、とくに激戦地バフムトでロシアの攻撃が弱まっていると伝えられていますが、一方では、ワグネルと正規軍の確執が激しくなっているだけだとの解説も出ています。どっちかわからんですけど、ロシアの攻撃が弱まってきているのは事実のようです。ウクライナ軍はここで反転攻勢に出ることが期待されていますが、ウクライナ軍も相当に疲弊しているので、西側提供の戦車と兵士の訓練が整う4月以降でしょう。
また、ここに来て、クリミアでも、ウクライナとの国境沿いのロシア領内でも謎の爆発が激化しています。バルチザン好きの私はこっちに注目してます。
ANKA Daily Newsは米国のニュースサイトで、ウクライナ情勢を熱心に報じ続けています。
クリミアでの爆発は小規模でしょうが、この動画に出ているロシア国内での軍事工場の爆発・炎上は規模がムチャクチャ大きい。近隣の人々が大量にSNSに投稿しているため、さまざまな角度からの映像が豊富に観られます。
これはモスクワの250km北東に位置するヤロスラヴリ(Ярославль)にある工場です。もともと自動車工場らしいのですが、軍事関連のエンジン製造工場としてロシア最大であり、核ミサイルも製造している工場です。これが爆発音とともに炎上して、ほぼ全焼。
核ミサイルのエンジンを製造しているだけなので、核物質が保管されていたわけではないようですが、製造中のすべての製品が破壊され、ロシア軍にとっては大きなダメージになりそうです。
ロシア当局は原因不明としか言ってないですが、パルチザンじゃなかろうか。
この動画では、もうひとつ、アゾフ海近くのロストフ・ナ・ドヌ(Ростов-на-Дону)での爆破も取り上げられていて、ロシア連邦保安庁(FSB)の建物がターゲットになり、4人が死亡。こちらは「黒い橋」(Чёрный мост)と称するパルチザングループが犯行声明を出しています。この「黒い橋」は今回初めて登場したようで、ロシア国内の反戦グループらしい。デモをやったところで潰されるだけなので、ついには地下活動に転じたのでしょう。これは必然。
キレエフスクではドローンが爆発
また、モスクワの南西に位置するキレエフスク(Киреевск)では、爆薬を搭載したドローンが墜落、炎上。
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