松沢呉一のビバノン・ライフ

あおちゃんぺ呼びかけの「ガルパレ」大成功—彼女は何を求めていたのか-(松沢呉一)

 

あおちゃんぺが求めていたこと

 

vivanon_sentenceまとめるのが遅くなりましたが、日曜日は渋谷であおちゃんぺ主催の「ガールズパレード」でした。

私は自主警備で行こうかと本当に思ってました。土曜日は夜勤なので、寝るのは朝になってからなのですが、パレードの警備に行く場合は寝ずに行くつもりでした。しかし。警備会社に依頼していることがわかって、「オレの出番がない」と悟ったのはすでに書いた通り。

結局あの日は、夜勤から帰って、パレードの告知を「ビバノン」用にまとめてから寝ました。

昼過ぎに電話で目が覚めて、しぱらく話したあとパソコンを開いたら、パレードの中継が始まっていました。オッサンばっかりでした。グラビアモデルのような映える存在は、撮影しやすいように先頭に集めているだろうと想像できましたが、そこに至る前にまた寝ました。

これに対する批判や揶揄が出ていますが、水着ギャルがわんさか集まって、オッパイプルプル、ケツプリプリ映像を期待していた人たちはがっかりでしょう。同情しますし、私だってどうせならそっちを観たかったので、残念でした。きれいな若い男の裸でもいいんですけどね。

私同様、正直に「プルプル、プリプリが観られなくて残念だった」と書けばいいのに、その本心を見透かされないようにか、パレードが失敗かのようなことを書いているのが多数いて、あおちゃんぺがこのパレードに向けてどういう思いを込めていたのかも読んでないんだべな。

終わった直後のツイート。

 

 

彼女がやりたかったのは、水着の仕事をやっている女たちのエンパワーです。水着撮影会に出るのはことごとくが児ポ法や公然わいせつに抵触する違法な行為であるかのようなデマを言う人たちがいて、誰も定義を出さないままふりかざす「性の商品化」なる謎の悪行に該当するかのような決めつけをする人たちもいて、それらの人々によって仕事を奪われたモデルたちの仕事を創出し、精神的にも元気づけることが主たる目的でした。

そのためには撮影会の客が集まってくれる必要があって、そのことにも彼女は感謝しています。

女はできる」が彼女のメッセージ。あるいは性別をとっぱらって、「人はできる」がメッセージです。私はそう受け取りました。

難癖つけている連中とは人間の出来が違いますわね。

 

 

パレードに出るだけで脅迫される

 

vivanon_sentence電話で目が覚めたと書きましたが、電話の主は、SWASH代表の要友紀子でした。

彼女は私がパレードに行くのではないかと思って電話してきたのですが、私は「警備の必要がないので、寝てた」と説明し、このあと2人で「あおちゃんぺさんはすげえな」と褒め称えました。

彼女は昨日「しらべえ」に「あおちゃんぺ主催「ガールズパレード」への批判や揶揄が的外れである理由 男性参加者が多かった背景とは」という一文を出してましたので、お読み下さい。

 

 

そちらとも重複しますが、彼女が触れていない点もあるので、私は私で、人数について分析しておきます。

1週間前に動き出して、4日前からの告知で700万円のカンパを集め、パレードには300人が参加し、27人の撮影可のモデルたちが集まったのはたいしたもんでしょ。

私自身、風俗嬢たちの集まりをする場合にスケジュールを合わせることに苦労した経験があります。世間の人が仕事をしている時間は寝てて、仕事をしていない時間に仕事をしているのがいます。その逆もいます。「昼は無理」「夜は無理」「平日は無理」「土日は無理」ということになってしまうので、全員の都合を考えることは最初から諦めて、「この時間に来られる人だけ来て」という方法がもっとも賢明だと学びました。

とくに撮影会の仕事は土日に集中します。1ヶ月も2ヶ月も前から決まっていて、動かせない人も多かったはずです。

時間がない中、よくも集められたと思いますし、参加した人たちの勇気にも感服しました。私が自主警備に行こうかと思ったのは、本気で妨害を心配したからです。パレードに対する直接的な妨害に対抗することくらいしかできませんけど。参加したモデルのあとをつけて、自転車のサドルに精液をかけるような人も警戒せざるを得ません。

 

 

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