松沢呉一のビバノン・ライフ

韓国人YouTuberが報告する日本語の浸透—日本でも韓国でも日本語と韓国語を合体させた新語が次々と誕生-(松沢呉一)

ハイボール/おまかせ/ファッション/アニメ/日本旅行—「イエスジャパン(예스 재팬)」を作り出したもの」の続きです。

 

 

imase「NIGHT DANCER」を韓国経由で知った

 

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韓国ではキリンビルやサッポロビールも売上を伸ばしていますが、アサヒビールの人気が抜きん出ています。また、ハイボールも定着しています。人気がありすぎて韓国では手に入りにくく、なおかつ日本の方が安いため、日本土産の定番はサントリーの角瓶であり、ドン・キホーテの各店舗では国産ウイスキーに力を入れていますが、しばしば棚がカラです。車はレクサスが人気、ユニクロも居酒屋もおまかせの高級寿司屋もアニメも人気。日本に来る外国人観光客の数でもダントツで韓国が1位。

というのが「イエスジャパン現象」です。たしかにこれらは一時のブームかもしれないのですが、「一時」よりはもう少し長続きしそうな現象もあります。

「ビバノン」ではお馴染みのジュジュワールドで知ったことはさまざまあって、imase の「NIGHT DANCER」が韓国で流行ってはいるのを知ったのもジュジュワールドだったはず。韓国で流行っているどころか、imaseの存在自体、私は知りませんでした。

 

 

imase自身、韓国での人気に気を良くしていて、たびたび韓国を訪れています。

YOASOBIあいみょん米津玄師も人気があって、これらはアニメとリンクしていますが、1980年代のシティ・ポップの再評価も韓国で先行していたようです。

この動きは「自国の音楽が世界ヒットすることで自信を得たZ世代が日本の音楽を受け入れるようになった」という解釈が正しいようにも思えますが、これもその前の助走があってのことでしょう。

 

 

日本語の看板、日本語の商品名が激増

 

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ジュジュワールドが韓国からレポートしてくれた内容で、「イエスジャパン」の広がりがよくわかる回がありました。

 

 

ともに反日教育を受けたジュジュさんの友だちであるロージーさんは、日本の製菓学校で学び、修行をしたあと韓国に帰り、自分の店を始めて成功しています。

店の前には日本で学んだことを大書していて、パンのネーミングにも日本語を導入。親日のロージーさんが孤立無援で闘っているのではなく、韓国では日本語を店の名前にし、それをひらがなやカタカナで表記し、また、商品名に日本語を入れるのが流行っています。

反日派から石を投げられそうですが、そういう店が対象にしている若い世代に関して言えば、支持する人たちの方がずっと多いので、ビジネスとして正しいのです。

 

 

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