ホストに大金を使う女とアイドルに大金を使う男の違い—ホストクラブ規制を求める人々の薄っぺらさ[追加編1]-(松沢呉一)
「17歳の女子高生を客として入れるホストクラブの実際—ホストクラブ規制を求める人々の薄っぺらさ[後編]」の続きです。
なぜホストクラブ・バブルが起きたのか
金美館通りの藤村さんはXで「売掛を禁止したらホストクラブはどうなる?」の反響が大きかったことに驚いてました。
テレビや新聞は時間がないこともあって警察発表をなぞることになり、その結果、藤村さんが指摘していた「世間的な見方」に媚びる報道になります。対してネットニュースとしては、速報では拾えない情報を拾います。
その時に藤村さんの体験に基づく考察は貴重。藤村さんが言うように「売掛を禁止したって解決しない」とわかっていても、極悪人扱いのホストクラブやホストが主張しても信用されないし、現役の客はそのことを公言していない人も多いし、これから先、被害者ぶって売掛を踏み倒す予定の人たちは本当のことを言うわけにはいかないし、冷静に事態を捉えていない人も多いでしょう。その点で、藤村さんの意見は貴重。
「金美館通りの藤村さん」の次の動画です。
なぜホストクラブ・バブルが起きたのかについての彼女の考察です。
ホストの売上とランキングがホストと客の競争を煽った結果であり、よって、それを禁止すれば熱は冷めるのだと。しかし、売上が落ちるのに、そんなことをするお店はないと言ってます。そりゃそうです。もちろん、法律や条例で規制すべきものではありません。
「売掛禁止は意味がない。では、何ができるのか」という疑問に対しての答えにはなっていないのですが、ホストクラブで自分の力量を超えて多額の金を使うのかを見ておく必要がありましょう。そこがわからないから、「売掛を禁止すればいい」と短絡します。多額の金を使う必要があるのだから、売掛ができなければホストから借りるだけ。それもできなくなったら、消費者金融に走るだけ。
ホストと同棲している客
今回、ホストと客の関係を説明してくれていますが、ホストと同棲している客がいることを私も思い出しました。
「彼氏はホストだよ」なんて言うのがいるわけですよ。
「えっ? それってただのホストと客では?」
実際、どこをどうとってもただのホストと客の関係でも、彼氏と彼女だと信じているのがいます。キャバ嬢と客でもいます。「週に3回は店に行っているし、外で食事もしているし、バッグも靴も買ってあげたし、あっちもハンカチをプレゼントしてくれたし」みたいな。バッグや靴とハンカチセットではバランスが悪いですが、彼氏と彼女の関係でもしばしばこんなもんです。でも、セックスはまだしてなかったりして。
ホストを彼氏を言い張る女の中には、稀にこんな返しをするのがいます。
「彼氏と一緒に住んでいるよ。今日は客が少ないから、行ってあげなきゃ」
クエスチョンマークがいっぱい頭の上を飛び交うわけですが、パートナーの仕事を支えようとするのは不思議ではない。
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