松沢呉一のビバノン・ライフ

塩村あやか参議院議員の呆れた言動—ホストクラブ規制を求める人々の薄っぺらさ[追加編2]-(松沢呉一)

ホストに大金を使う女とアイドルに大金を使う男の違い—ホストクラブ規制を求める人々の薄っぺらさ[追加編1]」の続きです。

 

 

デスマフィン、増税メガネ、頂き女子、元祖頂き女子

 

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デスマフィン」というネーミングがすっかり定着。死者が出たわけではないですが、「食べると死にかねないぞ」と警告する意味で適切です。深みもひねりもないながら、大変キャッチーであり、そうじゃないと広がりません。

「増税メガネ」も、ひどい手抜きのネーミングですが、わかりやすいですわね。

自分で名乗った愛称ですが、「頂き女子」もキャッチーです。このヴァージョンである「元祖頂き女子」もいいネーミングです。言うまでもなく、塩村あやか参議院議員のことです。元祖は世界の平和を守る人妻JK魔法少女りりちゃんだとばかり思っていたら、「その前がいたんか!」と気づかせてくれるナイスな愛称です。

「りりちゃんは詐欺師であり、それと一緒にするのは名誉毀損だ。訴えるぞ」と塩村あやか議員は言いそうですが、りりちゃんは詐欺で捕まる前から「頂き女子」と名乗っていて、詐欺であることに限定せず、男から金を巻き上げて、「いっただきー」と喜んでいるようなタイプを指します。

そんなのは百年前からいたという反論もありましょうが、巻き上げたことをインターネットで自慢げに語ったことにりりちゃんの特異性があり、議員になる前にテレビで自慢げに語っていた塩村あやかをそこに重ねるのは全然おかしくありません。

そんな人間が議員になれるくらいに日本の有権者は寛大であることはいいとして、その人物がホストクラブを規制する法律を画策するとなれば、「あなたにその資格があるのか」と問いたくなるのは当然です。

✳︎2023年11月16日付「スポニチ」 トレンド入りしたことを報じるものですが、マスメディアも「デスマフィン」を拡散

 

 

国民の質問に恫喝で応える政治家

 

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本題はそ先なのですが、「元祖頂き女子」騒動のおさらいをしておきます。

塩村議員が付き合った男から、別れる際に1,500万円を受け取ったとテレビで告白、Xでそのことを確認しようとした人物に対して、塩村議員は「情報開示請求をさせていただきます。 すでに何十回と説明しております」と恫喝。

普通に考えれば、この質問だけで開示請求が認められるとは思えません。「情報開示請求をさせていただきます」と明言しておりますから、もし実行しなければただの脅しです。権力をもつ政治家がこの程度で開示請求したとしても、あるいはただの脅しのためにこんな言葉を口にしたとしても、立憲民主党はなんらかの処分をすべきでは? 放置すると、党の信頼を失うだけですぜ。

「すでに何十回と説明しております」の部分が回答のつもりらしいですが、私自身、塩村議員が「元祖頂き女子」であった疑惑を今まで知りませんでしたから、その説明とやらも知りません。何十回と説明していることを繰り返すのが面倒であることは理解できますが、そうも説明してきたなら、そのうちのひとつでもリンクすればいいじゃないですか。

このあとおそらくこの件を指して「デマ」だとも言ってますが、どこがどうデマなのかもわかりません。この図版が捏造だと言うなら、そう説明すればよかったじゃないですか。

質問者が出している画撮セットの発言は「踊る!さんま御殿!!」でなされたもので、YouTubeで確認できます。付き合った人(たち)は慰謝料をくれて、最高金額は1,500万円だと言ってます。また、それとはまた別の文脈で、付き合っている男に妊娠したと嘘をついたとも言ってます。

これらがデマだとするのは無理。AI生成映像だと言い張るのも無理。このあと、番組では「全部嘘です」でオチがあるのに、そこをカットしたというなら、そう指摘すればいい。

説明もできずに開示請求するそうですから、「よっぽど触れられたくないんだな」と思われるだけであり、現に私はそう受け取りました。

 

 

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