松沢呉一のビバノン・ライフ

三重交通の公式キャラクターとクロエ・ケリーのクネクネ・ダンス—日本では「港区放尿女子」が世間を騒がせ、英国では「小粉紅」が世界を呆れさせた[追記編2]-(松沢呉一)

吊り目を差別表現だとすることは東洋の表現を否定すること—日本では「港区放尿女子」が世間を騒がせ、英国では「小粉紅」が世界を呆れさせた[追記編1]」の続きです。

 

 

三重交通の公式キャラクターに対する難癖

 

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このシリーズは終了しましたが、「追記編」をもう1本だけ出しておきます。中国人難癖グループとは「難癖」という点以外、何も関係ないですが、[追記編1]に書いた「ステロタイプな表現は、それだけでは否定されるべきではない」というテーマの続きです。

三重交通の公式キャラクターを叩くバカどもがいたらしいじゃないですか。

 

これを批判した人たちがいたわけですが、三重交通は動ずることなく、このキャンペーンを継続しています。表現についてロクに考えたこともない難癖屋たちに屈してはいけない。どうせ学習なんてできない連中でしょうが、難癖のどこがどう間違っているのか指摘しておきます。

以下は2024年1月30日付「中日新聞」より。

 

 しかし、これにX(旧ツイッター)では一部の界隈から批判が噴出。「わざとらしく内股で片足跳ね上げて腰をくねらせたポージングは働く女性を貶めている。女性だけピエロ扱いの図はとても不快だ」「公共交通機関の自社広告で、女性職員にのみ『媚び』のイメージを与えるのは、男女平等ではありません」「男キャラと女キャラのポーズと表情を逆にしたら異様さが分かると思う」などの声が飛び出した。

 

ホントに考えることが苦手らしい。

 

 

クロエ・ケリーのクネクネ・ダンス

 

vivanon_sentence腰をくねらせることは不快で、「媚び」のイメージであり、男女平等ではないとの決めつけこそがステロタイプな発想です。

マンチェスター・シティクロエ・ケリーのダンスを見たことないんか。

 

 

クネクネ・ダンスは7分過ぎから見られますが、クロエ・ケリーはドリブルもシュートも見た目も全部カッコいいので、最初から通して観ることをお勧めします。長谷川唯との連携は最強。その長谷川唯は内股ポーズをやることがあります。

これらが不快で、「媚び」のイメージであり、男女平等ではないとして、クロエ・ケリーや長谷川唯を非難するか? あるいは、サッカー選手だから許され、バスの運転士だと許されないってか。職業差別をやめれ。

女子EUROの決勝戦の対ドイツ戦で決勝ゴールを決めたクロエ・ケリーはユニフォームを脱いで全身で喜びを表現しましたが、バカタレどもはこれも男に媚びた表現にしか見えないんだべな。

そういった偏狭な人々を除いて、クロエ・ケリーや長谷川唯のポーズをどう受け取るかは人によっていろいろでしょうが、代表的な受け取り方は、お茶目、ひょうきん、ユーモラスといったところでしょう。試合中に極度の緊張にある彼女らが緊張を解き、喜びを表現するのは自然なことです。

それと同じとは言いませんが、運転士を象徴するキャラが同様の表現をして何がいけないのか。運転中を表しているわけでもあるまいし。

 

 

三重交通は女性運転士を育成しようとしている

 

vivanon_sentence「単体だったらいいが、男のキャラもいるのに、女のキャラだけがあんなポーズをしているのが問題」という人もいそうですが、そうした方が目立てていいじゃないですか。

調べもしないで三重交通を叩いて悦に入っているバカタレは見てないでしょうが、三重交通は女性運転士を育成しようとしています。

 

 

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