松沢呉一のビバノン・ライフ

騙す側と騙される側の共通項—犯罪に表れる国民性[後編]-(松沢呉一)

韓国で詐欺が多い理由—犯罪に表れる国民性[中編]」の続きです。

 

 

詐欺師のテクが韓国で通じやすい理由

 

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前回見た駄論より、もっとマシな記事を見てみましょう。

以下は、詐欺師のテクをまとめたものです。

 

2023年11月1日付「nateニュース

 

とくに韓国に限った内容ではないのですが、韓国で通用しそうな点が多々あります。

まず詐欺師は「社会的に重要な人物であると装う」という点。具体的には、「経済的な能力、学歴、親の地位」です。このことは繰り返されていて、より細かく「財閥2世、医師、弁護士、名門大学出身、企業会長」とあります。こういったハッタリは、どこの国でも詐欺師が使う手でしょう。

エイレーンの相手の中国人は親の地位や超富裕層であるとことを誇示していたらしく、事実であっても、そんなことを誇示する人物は信用できないですが、私の経験でも中国人はこういうことを誇示したがる印象があります。その分、こちらの収入や家族のことまで初対面で聞いてきて面食らいます。

直接韓国人からそういう印象を受けたことはないですが、韓国では一元化された価値観が支配していることを韓国人自身がよく語っています。詐欺師の偽装が通用しやすい社会なのです。

 

 

詐欺被害者の特性

 

vivanon_sentenceこの筆者は「詐欺の被害者も責任が大」として、被害に遭う側も「一攫千金を得たり、大金を稼いだり、社会的な高い家につながるなど」の期待をすることに原因があると見ています。「社会的な高い家につながる」というのは結婚詐欺の場合です。

常に被害者に落ち度があり、欲にまみれているわけではないですが、投資詐欺に騙される人は100パーセントに近い割合で、欲に目が眩んでいましょう。だからと言って、詐欺師の罪が許されるわけではないですが、詐欺を減らすためには、騙される側の意識を変える必要がありましょう。

前回見た駄文では、被害者はただの善意の人であり、それが韓国の特性だとしていたわけですが、「欲に目が眩んだ人が騙される」とする方がはるかに説得力があります。

日本でも報じられていますが、韓国では、専門家ではない個人投資家が多く、無理な投資をして大損して破産する人たちが社会問題になってます。

韓国では不動産バブルも個人投資家が買い漁ったことで支えられてきましたが、不動産価格の下落で、金のある人々だけでなく、借金して投資としてマンションを購入した会社員、公務員らが戦々恐々としています。

それで社会に金が回るのですから、悪いことばかりでなく、そのために犠牲になるのはご立派とも言えますが、詐欺師に騙されるのは避けた方が良くないか?

筆者は被害者の特性を踏まえた予防策として、「自分が詐欺されない健全な価値観を持って、常識的な水準で行動し、努力せずに他人に便乗して一攫千金を得ようとする考えを捨てなければならない」としています。

 

 

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