三河市の爆発と四川省の山火事報道から読み取る—SNSが共産党政権を崩壊させる-(松沢呉一)
河北省三河市の爆発はミサイル?
この間の河北省三河市で起きた大爆発についての憶測が大爆発中。
法輪功系メディアです。
昨年暮れから今年にかけて大規模な軍部の粛清があり、とくにロケット軍の幹部が消えています。粛清されたグループが逆恨みをして、中南海あたりを狙ってミサイルを発射したのがミスったか、迎撃されたかで三河市に落ちたのだと。そう考えると、国営テレビCCTVの取材を妨害したことの説明もできます。取材で真相がバレたところで、どうせ報道することはできないですが、情報によってはメディアにも真相を伝えたくないこともありましょう。
目標から50キロくらい離れたところに落ちたのだとすると、中国軍のミサイル精度が世界に知られてしまいますし、迎撃できなかったのであれば、北京はミサイル撃ち込み放題だとバレます。以前から人民解放軍では汚職や横領が横行していることが知られていて、それが行きすぎて軍備の質を低下させるに至り、今回の粛清になったと言われますが、まさにそれを裏づけています。
面白い説ですが、住民がほとんどいない山間部の村じゃないんですから、どう当局が隠蔽しようとしても、ミサイルの目撃情報がSNSに出るでしょう。しかし、ガスが通っていないフライドチキン店でガス爆発があって、隣のビルの3階か4階が吹き飛んだという公式発表に比べると、まだマシかな。
そもそもガスタンクのような施設ではなく、民生用のガスであんな爆発が起きるのかとの疑問があります。
中国ではよくガス爆発が起きていて、探してみるとデカい爆発も起きてます。
2021年の映像。
これもミサイルじゃないかな。
なにしろ、当局が本当のことを発表しないので、すぐさま大喜利タイムに突入です。
止まらない中国の山火事と止まらないメディアの隠蔽
次の話。
恒大集団、碧桂園、万科など次々不動産会社が危機に陥り、EVメーカーが行き詰まり、公務員の給料まで遅配し、国民の不満が限界に達し、いよいよ中国共産党体制崩壊のカウントダウンが始まった様相です。
でも、それらより、中国共産党を終わらせるのは山火事ではないかと思えるくらいに、今年の山火事は前例がないほど規模が大きい。先月、貴州省南西部で大規模な山火事が発生しました。貴州省は北海道と東北と関東を合わせたくらいの面積で、3割が森林地帯ですが、その全域で山火事が発生し、四川省、雲南省にも拡大。
その時は一旦鎮火したようですが、今月も四川省で山火事が発生。
世界中の人たちがパンダのことだけ心配してますが、調べてみると、四川省では数年に一回山火事が起きており、2020年には消火隊員19名が死亡。先月の貴州省では2名の死者が出てますが、四川省では今のところゼロ。しかし、まだ鎮火してません。この報道は17日のもので、3,300人が避難としていますが、その後6,000人に増えてます。
原因は、中国南部では降水量が記録的に少なく、気温が異常に高いためだとされていて、強風で燃え広がるのが速い。
当然、中国メディアも報じているのですが、ちょっと変。
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