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全ビーコルの力で勝利。主将が背中で見せ、エースがそれに応え、ブースターが後押し。スポーツ界の理想的な勝利の形が実現した理由について<コラム>

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「ホームのみなさんの前でバスケをするのは、たとえ苦しい状況があったとしても、40分間すごく楽しいです。ファンのみなさんが、常に、どんな状況でも、クラップをして、応援してくれる環境があるのは、本当にありがたいことだと思うので。自分たち(が優勢)の時間が来たら、6人目の選手みたいな形で、ファンのみなさんが僕たちに流れが作ってくれていると思うので」

横浜ビー・コルセアーズのエースである河村勇輝の試合後のコメント通りの戦いをみせたのが、20日の試合でのビーコルだった。

 

まず、立ち上がりのディフェンスには、強度が足りなかった。そのうえで、1Qや2Qはチームとしての攻撃もちぐはぐ。特に2Q以降はアウトサイドのシュートが壊滅的な確率だった。何しろ2Qから4Qまでに16本の3Pを放って1本しか決まらず、成功率は6%という、滅多に見られないようなデータが残るほどだった。

 

試合の流れが変わりはじめたのは、3Qの残り3分8秒のこと。

ビーコルの生命線であるインテンシティの高い守備で、相手にシュートを打たせず、24秒バイオレーションを勝ち取った場面だ。あれで場内は沸いた。

そんなビーコルが流れを引き寄せたことが決定的となったのは、残り13秒になってからだ。このとき、PG河村に代わって、キャプテンの森井健太が出場。相手のPGに強烈なプレッシャーをかけたことで、ミスを誘った。相手のボールはラインを割ってしまい、ビーコルボールに。これで会場が大歓声に包まれた。

 

 

この時点で、残り4.4秒。

そして、少し前に下がったばかりの河村が、限られた時間で得点を決めるべく、再び森井に代わって出場。ブザーギリギリに放ったシュートがゴールに吸い込まれた。

チームでもっとも守備のインテンシティが高いといわれる森井と、もっとも得点力のある河村とが、お互いの強みを持ちよって、チームに、横浜国際プールに、流れを引き寄せた瞬間だった。

この時点で56-59だったが、まるでビーコルが逆転したかのような熱狂に包まれたのは、会場ではなく映像越しで見ていた人にもわかったはずだ。

そして、一度ビーコルがつかんだ流れはかわらず、4Qはファイティングイーグルス名古屋をわずか3点に抑えて、ビーコルが逆転勝利をおさめたのだ。

 

だから、試合後に名古屋の杉本天昇はこんなコメントを残している。

「シンプルに横浜さんのあのブースターさん、すごかったですね。ホームの力がすごいというのは僕たちもわかるので。そのなかで飲まれて……ではないですけど、自分たちのチームのバスケができなかったというのはありました」

河村もまた、試合後にはファンやブースターを歓喜させるようなコメントを残している。

 

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