『太陽と戦慄 Part 2』キング・クリムゾンとは何か? ロバート・フリップは「生き方」だ、と。たぶん、それが他のミュージシャンと合わない一番の理由でしょう
ロック史上一番ハードなギターサウンドといえばキング・クリムゾンの『太陽と戦慄』に入っている「太陽と戦慄 パート2」です。
「太陽と戦慄 パート2」はパンクの一番のルーツだと思ってます。ピンク・フロイド、ELP、ジェネシスがスタジアム・バンドとなるなか、ジェネシスなどが憧れたクリムゾンは、そうなることを拒否したのです。
今はどんどん、エフェクターもアンプも録音技術も進化し、ドロップD(6弦を一音下げる。ニルヴァーナなどグランジでよく使われた手法)、2音下げ(ギターの弦を全て2音下げる。誰が有名ですかね、ヴェルヴェット・アンダーグランドがやってましたが、こちらはヘヴィっていうより気だるい感じを出すためですね)、7弦ギターだとギターの革新は凄まじいのですが、1973年にリリースされてもう50年近く経つのですが、今聴いても、心の中をかき乱されます。
もちろん、キング・クリムゾンの一番最初のアルバムの『クリムゾン・キングの宮殿』の「21世紀の精神異常者」のファズ・ギター、クリムゾンの最後のアルバム(のちに復活しますが、その話はおいておきましょう)『レッド』のレッドもハードです。「レッド」は「太陽と戦慄 パート2」の完成形だと思うのですが、僕は「太陽と戦慄 パート2」の方が、狂気的にヘヴィだと思うのです。
「レッド」はレッド・ツェッペリンの「アキレス最後の戦い」(この曲もハードですよ)のみたいな完成形なんですけど、「アキレス最後の戦い」と同じようにどこか終わってしまったような悲しさを感じてしまうのです。
「太陽と戦慄 パート2」は「もう一回クリムゾンやるぜ、こういう感じがヤバいだろ(フリップ先生はこんないい方は絶対しないですけど)」みたいな気迫を感じます。
「太陽と戦慄」というタイトルの原題は「雲雀の舌のゼリー寄せ」という可愛らしい名前です。中国の宮廷料理の名前だそうです。ヒバリの舌を集めた料理なんかあるとは思えないのですが。
そういえば、外国の人はこういう変な食べ物が好きです。フグ、スッポンを食ってみたいとかよく言われます。お餅が食べたいと言うので、食べさした時は「お前らこんな味のないもののために毎年何百人も死んでいるのか」と言われました。
デヴィッド・ボウイはジョン・レノンと香港に遊びに言ったことがあるそうです。ボウイによると、ジョンは一年のうち2週間だけヨーコさんの元を離れて独身生活を楽しむという習慣があったみたいで、ボウイはジョンと親しくなるのはこの時しかないと、一緒に香港に旅行に言ったそうです。
で彼らの旅行の一番の目的は猿の脳みそ料理を食べることだったそうです。「雲雀の舌のゼリー寄せ」みたいに本当にそんな料理があるのかどうなのか謎なんですが、ボウイによると二人は猿の脳みそが食べれるお店を見つけたそうです。
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