ヴェルベッド・アンダーグラウンド『ペール・ブルー・アイズ』 僕らには“生と死”しかないということをルー・リードはよく分かっていました
一番切ない曲とはヴェルベッド・アンダーグラウンドの「ペール・ブルー・アイズ」です。
これはビートルズもストーンズも達成出来なかった領域でしょう。
完全にフィル・スペクターを超えています。
なぜルー・リードがこんな曲をかけたのか不思議です。
ヴェルベッド・アンダーグラウンドお得意の一音下げチューニングをしているから、こんな天国か地獄かどこか分かりませんが、現実の世界とは違った所にいるような気持ちにさせてくれるのでしょうか?
じゃー、ギターのチューニングを全て一音づつ下げて“サムタイムス・ソー・ハッピー~”って歌ってもルー・リードのようにはならないです。
ヴェルベッド・アンダーグラウンドがなぜこんなドローンとしたチューニングをしていたかといいますと、現代音楽のドローンからです。ダジャレをいいたくって、ドヨーンをドローンと書きました。でもドローンって英語ですけど、ドヨーンって感じの音楽ですよね。
そのドローンの大家というか、創始者、現代音楽のテリー・ライリー先生が今は山梨県北杜市に住んでいるというのはすごいことだなと思います。
その弟子のラ・モンテ・ヤングから変なチューニングを習ったのがヴェルベッド・アンダーグラウドの面々です。
ルー・リードはギターの音を全部同じチューニングにするとか本当に変なことをやっています。
そうするとそのギターは生き物のように異常な倍音を奏でるのです。
その辺の所は前にも書いたかもしれませんが、映画『カーマイン・ストリート・ギター』に出てきます。ルー・リードのギターの音を聴くだけで、観る価値あります。
この映画に出てくるチューニングを全てFにしたギターが「ペール・ブルー・アイズ」で使われているという噂があるのですが、どう使われているのか、全く理解出来ない所が残念です。僕は音痴なので、そんなギターの音は聴こえません。後ろの方で微妙になっているんですかね?それがこの曲の独特の雰囲気をよんでいるのかもしれません。
ルー・リードとそんな変な実験をしていたラ・モンテ・ヤングと付き合っていたのが、あのヨーコさんです。ヨーコさんの有名なハッシシ・ケーキのハッシシを調達していたのがラ・モンテ・ヤングです。そうなんです、ヨーコさんを通してビートルズにまで、この変な音楽は波及していくのです。
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tags: La Monte Young Terry Riley The Velvet Underground
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