米国人が抱く「日本女性の声は甲高い」というイメージは間違っていない—ホロライブの声-(松沢呉一)
「女は高い声を出した方が得をすると思われている日本—得をするとしたらJKと接客業と声優くらい」からゆるく続いています。
日本人に対する米人の「偏見」
フランスの買春者処罰については3回くらいで終わるつもりだったのですが、12回も続いてしまい(「仁藤夢乃の発言は信用できない[資料編2]」〜「仁藤夢乃の発言は信用できない[資料編13]」)、報道や報告書、論文に目を通すだけでもえれえ時間を使ってしまいました。
続く「リビアの洪水と難民問題」でも、ヒューマン・ライツ・ウォッチによる長文の報告書を読んだので、疲れ切ってます。知らなかったことをいっぱい知ることができて達成感もありますけど、ちょっと休みたいです。
つうことで、休憩編。
毎回観ているわけではないですが、このチャンネルは時間潰しにもってこい。しばしば時間潰し以上に学べることもあります。
報告書を読みこなす合間に観たこの回がとくに面白かったわけではなくて、米国における日本人に対するイメージのズレは、事実存在している国民全体の傾向や特徴的なポイントを個人に落とし込む時のズレであって、そんなに勘違いでもなくて、よってさして意外でもなく、腹を立てるほどでもない。
日本人は算数が得意
一点目に挙げられている「日本人は数学が得意」というイメージは彼らが言うように、ある程度事実でありましょう。高校レベルの数学となると私は疑いのない劣等生ですが、小学生レベルの暗算なら私もアメリカに行けば優等生。
ホロライブENのがうるぐらは算数が苦手ってことになっています。
これはひどい。焼酎をボトル1本一気飲みした時や3日間徹夜した時以外、9×9を間違える日本人はほとんどいない。九九を丸暗記しているからです。米国にも九九に相当する覚え方がありますが。アメリカの大学生・大学院生の38%が九九を完全には覚えていない。米人全体ではもっと下がりましょうから、がうるぐら程度の人を探すのはそんなに難しくないかと思います。
よく日本人は、510円の商品を買った時に、1,000円札と10円玉を出して、小銭が溜まらないようにしますが、この程度の計算ができないわけではないにしても、米人はやらないとよく言われます。小銭が不足している時に店員の側から「10円ありますか?」と聞いてきますが、それも米国ではやらないのかな。
「日本女性の声は高い」は事実
2番めの「日本女性の声は高い」はもっぱらアニメから作られたイメージでしょうが、前に紹介したように、各国で調査した研究者がいて、実際に日本女性の声は調査対象国の中でもっとも高いという結果が出ています。もっと高い文化圏もあるかもしれないですが、暫定で世界一。
がうるぐらが計算を間違っても、「サメちゃん、かわいい」になって、マイナスにならないどころか、プラスに転じましょうが、彼女が銀行員だったら、上司や客にどやされますし、正当な解雇理由になりましょう。
中高生なら高い声はかわいいとプラスの評価になるとしても、声の高い政治家や裁判官は信用されないかもしれない。イタリアのジョルジャ・メローニ首相のドスの利いた声や自信に満ちた話し方は頼り甲斐があります。極右のファシストですが。
(残り 1054文字/全文: 2544文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ