松沢呉一のビバノン・ライフ

日本人のモラルは下がっている?—タクシー代わりに救急車を呼ぶ人、金をネコババする人-(松沢呉一)

 

4月は花見のせいで、救急車の出動が増加する説

 

vivanon_sentenceやっと火傷が治りました。再生した皮膚が白くなっていて痒いのですが、ジクジクした状態ではないので、もう猫を触っても大丈夫かと、前に書いた、猫がいた公園に行ったら、すぐにあの猫がやってきました。近づいたら、すごい勢いで逃げていきました。あれ? 話が違う。

その頃から、くしゃみが出ていて、鼻水も出ていたのですが、副鼻腔炎が悪化したと思っていたら、4日前から急に咳が始まって、止まらない。また風邪をひいてしまったぜ。一昨日、昨日とたっぷり寝たので、本日の体調はボチボチですが、3ヶ月に1回ペースで風邪をひいてる感じ。春夏秋冬、もれなく風邪。とくに大きく気温が変化すると風邪をひきやすく、新しい季節の訪れを鼻水とともに実感します。

猫は「こいつは風邪のウィルスを持っているので触られたらたまらん」と察知したか。

猫に逃げられた日も見ましたが、今日までの18日間で、ほとんど外に出なかった4日を除く14日は救急車を目撃していて、1日で3回見たこともあります。消防車と一緒に走っているところも何度か見ましたし、マンションや民家の前に泊まっているところも見てますから、そのすべてがそうではないですが、これだけ続けて見たのは、花見のせいではないか。酒宴で急性アルコール中毒が急増しているに違いない。

そう思って、数字を確認してみたら、そんなことはなさそうです。

 

東京消防庁「救急活動の現況」(令和4年)

 

1日平均の件数は、3月がもっとも少なくて、次が5月。間に挟まれた4月が少し多いのは花見のせいかもしれないですが、たいした数字ではありません。

してみると、いちいち意識していないだけで、いつもこのくらい救急車を見ているってことか。たしかにうちからそう遠くないところに消防署があり、その前をよく通るので、よく見かけるとしてもおかしくない。

 

 

救急車を呼んだ人の1割以上は搬送されない

 

vivanon_sentence話が続かなくなってしまいましたが、救急車を見た14日間のうち、1日は私が呼びました。私が乗ったのではなく、知人が気分が悪くなって動けなくなり、本人が「救急車を呼んで」と言うので、119に電話。

顔が真っ赤になっていて、呼吸するのも苦しそうだったので、相当におかしな状態です。それでも、脇を抱えて、体を支えてあげれば、タクシーに乗れたかもしれないですが、夜なので、救急病院を探し、その病院が受け入れてくれるかどうかを確認するのは大変です。一般の病院が閉まった後の時間は救急車に頼るしかない。

知人は一泊して、翌日には退院してますから、結果を見ると、「救急車を呼ぶほどではない」とも思えますが、病院の診断ではアレルギーだったとのこと。食べ物ではなく、服用した薬のアレルギー。検索したら、市販薬でもアレルギーで死亡することがあるので、軽視はできません。

でもさ、気楽に救急車を呼ぶ人が多いらしいので、有料化を検討していいと思います。救急車の中で中継できるような人からは、金をとっていいでしょ。中嶋涼子のことですが、時間帯の問題があるので、有料か無料かの判断が難しい。有料と判断したら、金がなくて「だったらいいや」になり、その後亡くなったりしたら、訴訟になりそうで、救急隊員がそれを判断しなければならないのは酷です。

 

 

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