The Bealtes “While my guitar gently weeps” と「天国への階段」「ホテル・カリフォルニア」は三大ギターソロ。どのリード・ギターが一番やねんといえば…
この頃の若い人はリード・ギターが始まると飛ばすそうです。
そんなめんどくさいことするかな。
昔、レッド・ツェッペリンのライブでジミー・ペイジのギター・ソロが始まったらトイレ休憩の時間とよく欧米の評論家が書いていたようなポジション・トークのような気がします。
発掘され続けているレッド・ツェッペリンのライブで、ジミー・ペイジのギター・ソロが退屈だと思ったことは一度もないです。
もっと退屈となるはずのジョン・ボーナムのドラム・ソロも何回聴いても飽きない。完璧に構成されていて、毎回聞き惚れてしまう。聴き終わった後、俺、ドラムでもないのに、なんでこんなに真剣に聴いているのだろうと思ってしまいます。
レッド・ツェッペリンのソロ・タイムはトイレ休憩という原稿は、彼らを貶めてやろうというポジション・トークだったんだなというのが今はよく分かる。
今は誰もそんなこと思わないけど、レッド・ツェッペリンというバンドはそれくらい嫌われていたのです。
「天国への階段」が入っている最高傑作が、アルバム名がないのはそういうことなのです。アルバム名もバンド名もジャケットに記載されてない、その理由を誰も今は知らないけど、なぜバンド名をジャケットに書かなかったかというと、それくらいレッド・ツェッペリンは嫌われていたのです。
レッド・ツェッペリンという名前を聴くだけで、聴かないというロック・ファンがたくさんいたのです。だから彼らは4枚目のアルバムに自分たちの名前を書かなかった。先入観なしに自分たちの音楽を手にとって聴いてもらいたいと名前を書かなかったのです。「そんなことしたら、(ちゃんといるファンもレッド・ツェッペリンのアルバムが出たことが分からず)絶対売れない」とレコード会社は大反対です。マネジャーのピーター・グラントンは「お前ら勝手にジャケットに名前を入れてみろ、全てのレコードを紙袋に入れさせてやるからな」と脅します。アメリカだと路上でお酒を飲むのは恥ずかしいこと(違法かな)とされているので、みんな薄い茶色の紙袋に入れて飲むんですけど、そういう汚らしいことにしようというわけなのです。このアイデアは本当に彼らの最後のオリジナル・アルバム『インスル・ジ・アウトドア』で採用されました。
なぜレッド・ツェッペリンが嫌われていたかというと、こういうマネジャー、ピーター・グラントの横暴さも原因の一つです。ピーター・グラントはとにかくバンドというか、ジミー・ペイジを守りました。普通マネジャーというのはたくさん宣伝するのが仕事ですが、ピーター・グラントはアホな評論家をバンドから遠ざけたのです。厳選した評論家だけがレッド・ツェッペリンに近寄れることが出来たのです。だからほとんどの評論家はバンドに近寄れず、その怒りからツェッペリンを貶すようになったのです。それがツェッペリンのソロはトイレ・タイムという伝説を生んだのです。有名なフレーズが“トイレに行って、ビールを買って、戻ってもジミー・ペイジはまだソロを弾いていた”、そんなことないというのは今YouTubeに上がっている数々のツェッペリンのライブを聴いてもそんな時間はないです。
滅多にリユニオンしない彼らですが、「天国への階段」はヴォーカルのロバート・プラントンはやりたがらない。その理由はジミー・ペイジがギター・ソロを延々と弾くから、だから前回のリユニオンでもジミー・ペイジに長々とソロを弾かせないように中盤に持ってきたなんて理由がネットでまことしやかに語られています。これなんかも昔の評論の癖がいまだに残っているのでしょう。
ロバート・プラントンが「天国への階段」をやりたがらないのは「天国への階段」のメッセージ、歌のキメのフレーズ、“ロールせず(踊らずに)、ロックしろ(考えろ)”というのが、今彼がやっている音楽と正反対だからです。今彼がやっている音楽というのはロックンロールする音楽、なぜロックンロールが生まれたのかということを探求しているから、彼にとってロールするなロックしろというメッセージは歌いたくないのでしょう。「天国への階段」みたいな大袈裟な曲じゃなく、ツェッペリンにはブルースを基調とした他にやる曲がたくさんあるだろってことなんでしょう。
でもファンとしたら、天国へ登るような「天国への階段」のリード・ギターを聴きたいですよね。
ためてためて解放するかのように、これが天国への階段、音楽が生む魔力への鍵となるかのように始まるジミー・ペイジのギター・ソロはロック史に残る名演です。
ギター・ソロといえば、これか、ザ・ビートルズの「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」でしょう。
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