国民共和国軍が出したタタルスキー爆殺の犯行声明は信憑性が低い—モスクワのロシア国防省が燃えた-(松沢呉一)
「軍事ブロガー爆殺事件は図らずもクレムリンとプリゴジンの対立の激しさを浮上させた—ロシア軍とウクライナ軍による即決処刑と拷問・虐待についての国連調査」の続きです。
国民共和国軍の犯行である確率は20パーセントくらいか
この報道を見逃していたのですが、一昨日、国民共和国軍がタタルスキー殺害の犯行声明を出してました。
国民共和国軍については「ビバノン」で何度か取り上げていて、ダリア・ドゥーギナの殺害についても犯行声明を出していたのですが、国民共和国軍は実在しているのかどうか、今なお不明で、ダリア・ドゥーギナについても今回についても、信頼できるメディアは真剣には受け取っていないと思われ、無視しているメディアも多数。
ウクライナメディアは報じていますが、ロシアメディアは無視しているようです。ここは西側の信頼できるメディアと同じ。ロシアにとっては、本当だったら「ウクライナ犯行説」が崩れるので、いよいよ都合が悪い。
Telegramで声明が出されたのですが、具体性がまったくなく、無関係の人がイタズラで声明を出したのと一緒。事件に関与した人しか知らない事実を何かひとつでも出せば信用されるんですけどね。
これによってロシア当局は、反戦派の弾圧をさらに強める可能性があり、捕まったダリア・トレポアを不利にするかもしれないですから、ガセだったら許されまい。もっと賢い人がデマを流すのであれば、FSBの犯行であると臭わせて、ワグネル派をいきり立たせると思います。
ついにはモスクワの国防省で火災
同じく一昨日の夜、モスクワの国防省の建物で火災がありました。
他にもいくつかの動画がTelegramに投稿されていて、ロシアメディアも報じているので、火災があったことは確定。
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